定着ユーザー育成に役立つ「ブランドエクイティピラミッド」とは?

顧客が定着するまでにはフェーズがあり、フェーズごとにアクションを設計する

企業にとって、自社の商品やサービスを定期的に利用してくれるような定着ユーザー(ブランドファン)を増やすことは決して欠かすことのできないマーケティング活動です。
今回は定着ユーザーを育成するにはどのようなアクションを起こすべきかを考える際に役立つ「ブランドエクイティピラミッド」を紹介します。

ブランドエクイティピラミッドとは、顧客がサービスを利用開始してから定着化するまでのインサイトや体験を左脳的(理性的)ルートと右脳的(感情的)ルートの両軸での連続的なステップと捉えたものです。やや難しいので、もう少しかみ砕いて説明します。

ブランドエクイティピラミッド

最初のステップ:サービスを認知する「アイデンティフィケーション」

まだサービスを利用する前の段階です。
顧客はWEBやアプリストア、TVCMなどに触れてサービス概要を理解しています。
このようなタッチポイントでの訴求内容から受ける第一印象(楽しそう、ワクワクするなど感情的な側面)であったり、概要をみて自分にとって役に立ちそうなのか(理性的な側面)といったポイントで評価し利用を開始するかを判断しています。

この段階の顧客に対して取るべきアクション

ターゲット層に効率的にアプローチできそうなタッチポイントを選定し、どのような人にどのような利点があるのかをポイントを捉えてわかりやすく訴求しつつ、よい第一印象を与えることができるようサービスイメージに最適なビジュアルでアプローチすることが大切です。

2番目のステップ:サービスを体験しながら理解を深めていく「ミーニング」

初期利用によるサービス理解や評価する段階です。
顧客はサービス利用を通して、どのような価値が得られるのかを体験しながら理解しています。
ここでは、性能や機能が自分にとって利用する意味があるか(理性的側面)であったり、使いやすさや利用したときの印象(感情的側面)をもとに、引き続きサービスを利用するかを判断しています。

この段階の顧客に対して取るべきアクション

チュートリアルなどで基本機能の使い方を理解しやすくする体験設計や、初期利用インセンティブを与えるなど、如何に初期利用でサービスのコアバリューを体験させるかが大切です。
ゲームアプリがよくできていて、親切なチュートリアル設計や、初期はレベルアップしやすかったりインセンティブでアイテムがもらえるような設計になっています。

3番目のステップ:定期的な利用からサービスを評価する「レスポンス」

定期的な利用からサービスのことを評価する段階です。
顧客は何度かサービスを利用していくことで、長期的に継続利用していくかどうかを評価しています。 ここでは、「便利・役立つ・安心」などの機能的にポジティブな印象(理性的側面)や、「信頼・期待・好感」などのポジティブな印象(感情的側面)を得られるかによって長期的に利用していくかを判断しています。

この段階の顧客に対して取るべきアクション

例えばヘルスケアサービスや家計簿サービスなどの記録系アプリであれば、写真を撮るだけで記録できる利便性で継続の容易さを演出したり、実際にどれくらい体重の変化や節約の習慣が身についているのかのフィードバックをするなど機能面でのケアを考慮すること。さらには、入力したときに継続できていることを褒められるなどの顧客が達成感を得られるようなコミュニケーション施策を行うことが大切です。

最後のステップ:強いメリットを感じ毎日意欲的に利用する「リレーションシップ」

顧客がサービスに強いメリットを実感し、毎日意欲的に利用する段階。つまり定着化ユーザー(ブランドファン)になった段階です。

この段階の顧客に対して取るべきアクション

この段階まで到達した顧客はアンバサダーとして新たな顧客を呼び込みサポートしてくれる可能性があるので友達紹介機能を提供することも考えると良いでしょう。
逆を言うと、友達紹介機能はこの段階まで達した顧客がいないと成立しない機能であるとも言えます。

まずどの体験を実現すべきか優先度をつける

ここまで各ステップでどのようなアクションを検討していくべきかを説明してきました。
しかし全てのアクションを同時に実行することは非常に困難です。
まずは各ステップごとにどれくらいの顧客ボリュームがいるのかを整理し、最もインパクトの大きい箇所から着手していくことがベストです。
そのためには、各ステップに顧客を振り分ける条件を策定し、それらを計測するためのデータ蓄積を行う必要があります。

実施した施策が成功したのかを定量的に振り返り、PDCAを回す

上記で定量的にどれくらいの顧客ボリュームが各ステップに把握できる環境を整えることで、実行したアクションがどれくらいの効果をあげることができたのか効果検証することができるようなるメリットがあります。
また、効果検証をすることで次の打ち手の材料とし、さらにサービスを改善し成長させることも忘れてはならないポイントです。

今回は獲得した顧客を如何に定着化させてるかといったテーマでご説明しました。
博報堂アイ・スタジオではさまざまなクライアント様のユーザー体験の設計や実行、その後のPDCA運用をご支援して参りました。
もし顧客定着化に課題を感じている方がいらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。

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  • 博報堂アイ・スタジオ
    小野 裕明おの ひろあき
    2010年にスマートフォン向けの音楽やマンガなどのエンタメコンテンツの配信サービスを提供する事業会社に入社しグロースハック業務や新規事業の立ち上げを担当。 デジタル領域の自社事業運用で得た経験を多業種多企業の事業支援に活かし支援していくために博報堂アイ・スタジオに転身。 現在はクライアント企業のもつデジタルサービスのKPI設計から、定量データや定性データを分析し、事業成長に向けた課題分析や施策立案、実行をサポートするグロースハック業務を担当。

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