効果的な施策立案に役立つ、カスタマージャーニーマップの作り方と活用法

この記事では、これからDXに取り組もうとしている方や、ウェブサイトやアプリを作ったがなかなか成果が出ない、改善施策をどうやって考えればいいかわからないといったお悩みをお持ちの方向けに、カスタマージャーニーマップの活用法や、作成方法をご説明します。

カスタマージャーニーマップを作成することのメリット

まずカスタマージャーニーマップ とはお客さまが商品やサービスに出会い、実際に購買行動に至るまでに、どこでどんな情報に触れ「使い始めてみよう、購入しよう」と思うのか、そのプロセスを時系列で可視化したものです。

※カスタマージャーニーマップ のイメージ

カスタマージャーニーマップ イメージ

このカスタマージャーニーマップを作ることで、どんなメリットがあるのか3つにまとめました。

メリット1:顧客体験全体を俯瞰することで、顧客視点で施策を考えることができる

例えば、とあるアパレルECサイトのお客様のペルソナは、20代前半のおしゃれが好きで、日頃から様々なファッションメディアを能動的に閲覧しているような人だとします。
ペルソナに近い人にインタビューしたところ、サイトに流入する前の段階で、雑誌やインターネットできになる商品を見つけていて、その商品をお店に行って試着してからECサイトで購入しているようでした。

このような行動をとる背景には、「服を着たときのシルエットを重要視していて、買い物で失敗したくない」という価値観があるのではないでしょうか。
そこから考えられる提供すべきことは、「そのアイテムを試着できる、つまり在庫がある店舗を検索ができて、すぐにどこに行けば試着できるか知ることができる体験」でだったり、
「過去にそのECサイトで買ったお気に入りの商品と詳しくサイズ比較ができるようにするなど、お店に行かなくても失敗を回避できるような体験」だと考えられるようになる。というようなイメージです。

メリット2:施策の優先順位がわかりやすくなる

カスタマージャーニーマップ を作り、時系列で整理した顧客フェーズをKPI指標化して数値で表すことで、どのフェーズの体験で歩留まり/離脱しているユーザーが多いのか(ボトルネックがあるのか)、つまりどこを改善することがビジネス的にインパクトが大きいかを測ることできます。

メリット3:関係者全員が共通認識を持てる

これはそのままですが、カスタマージャーニーマップ や、顧客フェーズごとのユーザーの動きを数値化したものをプロジェクトメンバー全員で共有することで、事業成長に最短で走り抜けられるような、同じ視点を共有したチームを作ることができます。

カスタマージャーニーマップを作成する5つのステップ

ここまではカスタマージャーニーマップ をどのように施策立案や実行に活かすかというポイントを説明しましたが、ここからはどうやって作るのかというポイントを説明します。

STEP1:ペルソナを設定

ペルソナを設定する際はまずは市場にいるターゲットユーザーのことを知ることから始めます。
ユーザー理解を深める方法としては自社サービスの「行動ログ解析」、ネットリサーチ会社のモニターに向けてアンケート配信する「市場調査」、ターゲットユーザーを呼んでインタビュー形式で質問する「デプスインタビュー」などを用います。

ペルソナ設定

それらで収集したデータを整理し、年齢や仕事の内容、1日の過ごし方や、大切にしている価値観などをまとめてペルソナを設定します。

STEP2:顧客フェーズを検討

次のステップは顧客フェーズごとにどこでどんな情報に触れ、行動するのかの整理です。
例えば夏休みに入るから旅行に行きたい!のような「ニーズ想起」から、繰り返し使うようになる、つまりロイヤルカスタマーになるまでのストーリーをフェーズ区切りするケースが多いです。

顧客フェーズ

上記のように、フェーズの区切り方は提供する商品やサービスによって様々なので、みなさんの担当されているサービスの場合どのような区切り方になるかぜひ考えてみてください。

STEP3:タッチポイントや顧客の行動を整理

次のステップは顧客フェーズごとにどこでどんな情報に触れ、行動するのかの整理です。
冒頭で触れたアパレルECサイトのペルソナを例にすると、商品探索のフェーズではTVや電車広告、ネット広告などの受動的な商品との出会いや、SNSでの情報収集や、ファッション誌、友人との会話、店頭に探しに行くなどの能動的な商品探索行動がある。みたいな形でタッチポイントと行動を整理していきます。

このタッチポイントや行動は実際のユーザーの声をもとに考えるべきなので、ペルソナ設定のパートで紹介した調査を行う際にこういった情報も収集するようにしましょう。

STEP4:何を求めているのか、インサイトを整理

次のステップではそれぞれの行動をとる裏にどのようなインサイトがあるのかを整理します。
STEP3の例のように、ファッションアイテムの情報探索を積極的に行う背景には「世の中の最先端を行く新しいおしゃれアイテムに出会いたい」や「新しいおしゃれ情報に毎日触れてワクワクしたい」みたいなインサイトがあるのような形で整理します。
このインサイトをしっかり引き出すためにはデプスインタビューを行って事実ベースで整理することがおすすめです。

STEP5:提供するべき体験が何か整理

そして最後のステップは、ここまでで整理した情報をもとに、どのような体験を提供することでユーザーにとって価値があるのかを整理します。

例えば「世の中の最先端を行く新しいおしゃれアイテムに出会いたい」「新しいおしゃれ情報に毎日触れてワクワクしたい」みたいなインサイトに対しては、サイトやアプリのデザインやページ遷移時の動きをリッチにして「おしゃれ感度が刺激されるブランドの第一印象づくり」が必要ですし、
「真新しいものを取り入れてみたい」というインサイトに対しては「今使っているアイテムと比べて何が良いのか」が理解できる体験づくりが必要です。

このようにユーザー調査をベースに、ユーザーの視点で情報を整理することで必要な体験を定義することができる点が、カスタマージャーニーマップ の良いところです。

博報堂アイ・スタジオではさまざまなクライアント様のユーザー体験設計やウェブサイト/アプリ制作、その後のPDCA運用をご支援して参りました。

もし顧客体験(UX)設計にこれから取り組もうとされている方、もしくは既に取り組んでいるがプロジェクト推進に課題を感じている方がいらっしゃいましたらご支援可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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  • 博報堂アイ・スタジオ
    小野 裕明おの ひろあき
    2010年にスマートフォン向けの音楽やマンガなどのエンタメコンテンツの配信サービスを提供する事業会社に入社しグロースハック業務や新規事業の立ち上げを担当。 デジタル領域の自社事業運用で得た経験を多業種多企業の事業支援に活かし支援していくために博報堂アイ・スタジオに転身。 現在はクライアント企業のもつデジタルサービスのKPI設計から、定量データや定性データを分析し、事業成長に向けた課題分析や施策立案、実行をサポートするグロースハック業務を担当。

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